マーケティングにおけるペルソナとは?設定方法・注意点を解説

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マーケティングにおけるペルソナとは?
設定方法・注意点を解説

こんにちは、事務所代表の鈴木です。

今回はマーケティングに深く関わりのある「ペルソナ」について紹介したいと思います。以前のBlogで、「(自社の)強みが刺さるユーザー像を想定する」とした部分の詳細です。

1.ペルソナとは

マーケティングにおける「ペルソナ」とは、自社の製品やサービスにとって理想的な顧客像を具体的に設定したものです。

年齢、性別、職業、年収、ライフスタイル、価値観、行動パターンなど、詳細なプロフィールを設定することで、マーケティング活動にリアリティと一貫性を持たせることができます。

例えば、化粧品を販売する企業が、ターゲット層を「20代後半の女性」としていた場合、これだけでは顧客の具体的なニーズや悩みが見えてきません。

しかしペルソナとして、
「東京都在住・28歳・広告代理店勤務・年収400万円・仕事帰りにSNSで話題のコスメをチェックして購入する」といった人物像を描くことで、その人の価値観や購入行動まで想定することができます。

2. ペルソナとターゲットの違い

「ターゲット設定と何が違うの?と思うかもしれません。

ターゲットも「誰に向けて発信するか」を考える点ではペルソナと似ています。

ターゲットとは、商品やサービスの大まかな対象層のことを指します。たとえば、「30代男性・都内在住・既婚者」といったように、属性によって分類されます。

一方、ペルソナはそのターゲット層の中から、典型的な一人を抜き出して具体的に描いたものです。
ペルソナには名前や顔写真(イメージ)を設定することもあり、まるで実際に存在する顧客のように扱います。

この違いは、マーケティング戦略において非常に重要です。
ターゲットが広すぎてメッセージがぼやけがちな場合でも、ペルソナが明確であれば、訴求ポイントやコンテンツの方向性がはっきりします。

3. マーケティングでなぜペルソナを設定するか

マーケティングでペルソナを設定する最大のメリットは、「このペルソナに向けてどんなアプローチが有効か?」が明確になることです。

Webサイトのコンテンツを作成する際も、漠然としたターゲット層ではなく、明確なペルソナに向けて文章を書くことで、「この人に届くように」と自然と伝わる内容になります。

これは商品開発、広告・SNS発信などの顧客とのコミュニケーションなどあらゆる面において一貫した理解につながります。

さらに、ペルソナは社内共有のツールとしても有効です。関係者間で「この人に向けた施策だよね」と認識を揃えることで、部署ごとの方向性のずれを防ぎ、プロジェクト全体のスピードと精度を高めます。

4. ペルソナの設定手順

実際にペルソナを設定するには、以下のステップを踏むのが一般的です。


ステップ1:既存顧客のデータ分析

まずは自社の商品・サービスをすでに利用している顧客のデータを集めます。
年齢、性別、職業、購買履歴、来店頻度などの情報をもとに、共通するパターンを見つけ出します。


ステップ2:市場調査・インタビューの実施

次にアンケートやヒアリングを通じて、ターゲット層のライフスタイルや価値観、悩みを掘り下げます。
定量データだけでなく、「なぜその商品を選んだのか」「普段どんな情報源を参考にしているのか」などの定性的な情報も重要です。


ステップ3:ペルソナ像の作成

収集した情報をもとに、下記項目を参考に「1人の具体的な人物像」を描きます。
・基本情報:名前(仮名)、年齢、居住地、家族構成、職業、年収など
・ライフスタイルと価値観:1日のスケジュール、趣味・関心、価値観、SNSの利用状況
・悩み・課題:現在の悩み、解決したいこと
・商品・サービスとの関係:ペルソナは商品
・サービスをどのように知るのか、購入の決め手


ステップ4:社内での共有と活用

完成したペルソナは、マーケティング部門だけでなく、営業、商品企画、カスタマーサポートなど全社で共有することで、全体最適な施策につながります。

5. ペルソナを設定する際の注意点

Point1 たった一人に絞ることを怖がらない

最初は「ターゲットを絞ると、顧客が減ってしまうようで怖い」と感じる方もいるかもしれません。

私も昔はできるだけ多くの人に知ってもらいたいと考えて発信してきましたが、
「誰にでも役に立つ情報」=「情報がぼやけ、結果的に誰の心にも刺さらない情報」となってしまいます。

ペルソナは市場環境や顧客の価値観の変化等により「半年から1年」で定期的に見直すものですので、まずは一人に絞るチャレンジをしてみてください。

Point2 既存の主要顧客と拡大したい顧客層が違う可能性

ステップ1で既存顧客のデータ分析を行うようアドバイスしていますが、売れている相手=売りたい相手ではないケースがあります。

現状が40歳代男性が主要顧客であり、今度顧客層の拡大に向けて新商品を開発し、20歳代男性をターゲットにしたい場合などです。
その場合は、「ステップ2 アンケートやヒアリング」に重点を置いてペルソナの設定を行うようにしてください。

6. 最後に

「ペルソナ」は、顧客理解を深め施策の精度を高めるうえで欠かせない考え方です。

正しくペルソナを設定し、それをもとにマーケティング戦略を組み立てることで、より効果的な集客・販売促進が可能になります。

当事務所へ多い相談は、社内でペルソナを設定する際、活発な議論になっていないといったケースです。理由は「ペルソナ設定の進め方がわからない」「経営者の想い・経験からくる意見が強すぎる」など様々です。

そのような場合、我々のような外部の人材を交えて議論することで、客観的な視点や進め方のノウハウを取り入れることができます。ペルソナ設定にお困りでしたら、当事務所までご相談ください。

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