営業成果を劇的に変える「パイプライン管理」解説

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営業成果を劇的に変える「パイプライン管理」解説

こんにちは、事務所代表の鈴木です。

本日は営業活動によって生まれた商談・案件の見える化=パイプライン管理について紹介します。
日々の営業活動で「見込顧客の状況が把握しきれない」「なぜか商談の数が成果に結びつかない」とお悩みではありませんか?それを解決し、営業成果を予測可能で安定したものに変える鍵が「パイプライン管理」です。

この記事では、中小企業がすぐに実践できる「パイプライン管理」の基本から成功の秘訣までをコンサルタントの視点から解説します。

1.パイプライン管理とは

パイプライン管理とは、見込顧客(リード)が商談から成約に至るまでの全プロセス(営業パイプライン)を可視化し、各段階における状況を定量的に把握・分析・管理することです。

水道の「パイプライン(管)」のように、営業プロセスを入口(見込顧客創出)から出口(成約)までの一連の流れとして捉え、どこで水漏れ(案件の停滞・失注)が起きているかを把握します。

つまり、「パイプライン管理」の目的は、個々の営業担当者の属人的な活動を排除し、組織全体で営業プロセスのボトルネックを発見・改善することにあります。

営業パイプラインのステータス例

2.パイプライン管理の手順

パイプライン管理を導入する際、まずは以下の3つの手順を踏みましょう。

①営業プロセスの定義・標準化
自社の営業活動における各ステップを明確に定義し、誰が担当しても同じステータス分けができるように標準化します。

例: ステータス名称、ステータスを次に進めるための具体的な条件(例:「提案」に進むには「キーパーソンとの面談」が必須、など)を設定。

②各ステージの移行率と所要時間を把握
過去のデータに基づき、各ステータスの移行率と、一つのステータスに案件が留まる平均所要時間を算出します。

例: 「提案」ステージから「クロージング」ステータスへの移行率が30%など。

③可視化とデータ入力の徹底
定義したステータスとデータをスプレッドシートや専用ツールで見える化します。

案件名、金額、次のアクション、確度、次アクション予定日など、最低限必要な情報を入力ルールとして定め、全社員に徹底させることが重要です。

3.パイプライン管理を成功させるためのステップ

重要です!成功への道筋を具体的に解説します。

ステップ1: 営業プロセスの「見える化」と統一

前述の通り、まず全営業活動を統一されたフォーマットで可視化します。これがデータ分析の土台となります。

ステップ2: ボトルネックの特定と数値目標の設定

可視化されたデータから、「どこで案件が詰まっているか」「どのステータスの移行率が低いか」というボトルネックを特定します。

例: 「提案」段階で失注が多いなら、「提案内容の見直し」や「提案前のヒアリング強化」が改善目標となります。

さらにこれらの改善目標に基づき、各ステージに必要な案件数や活動量を逆算し、具体的な数値目標(KPI)を設定します。

ステップ3: 定期的なレビューと改善サイクルの確立

経営者やマネージャーが、案件個別の状況だけでなく、パイプライン全体の数値と傾向を定期的にレビュー(週次・月次)します。

営業会議の形式を「個別の詰め」から「パイプライン全体のデータに基づく戦略会議」へ変革することが重要です。

4.パイプライン管理のよくある失敗事例

中小企業でパイプライン管理がうまく機能しない典型的なケースを知り、失敗を回避しましょう。

「ツール導入」が目的になってしまう

高機能なSFA/CRMツールを導入したものの、入力ルールが曖昧で、担当者によって入力内容がバラバラになり、結局誰もデータを使わない「入力のための入力」になってしまう。

→ルールを定義して、入力・パイプライン会議を習慣化する

厳しすぎる「管理・監視」になる

経営層やマネージャーがデータを「詰めるための材料」として利用し、営業担当者がネガティブな気持ちでデータを入力・更新しなくなる。データが不正確になり、管理そのものが形骸化します。

→詰めるのではなく、NEXTアクションを決めるために活用する

ステージ定義が「曖昧」でブレる

「商談中」や「検討中」といった曖昧なステージ名や、担当者の主観でステージを進めてしまう運用により、データ分析の精度が著しく低下します。

→担当毎に解釈が異なることが多々ありますので、初めのうちは定期的に認識のすり合わせをする

5.パイプライン管理を成功させるためのポイント

失敗を避け、効果を最大化するための重要なポイントを3つご紹介します。

「入力の負荷軽減」と「ルールの徹底」を両立

データは生命線ですが、入力が負担になると継続しません。SFA/CRMツールの導入、モバイルからの入力、営業担当者の負担を減らすシンプルなルール設定を心がけましょう。

営業担当者にとってのメリットを明確にする

「管理される」のではなく、「自分の営業活動のムダがなくなり、成果が上がるためのツール・仕組みだ」と認識してもらうことが肝要です。データに基づき、「次は誰に対して何をすべきか」が明確になる点が最大のメリットです。

経営者が率先してパイプラインを「経営指標」として活用する

パイプラインデータは、営業の状況だけでなく、「将来の売上予測」「採用すべき人員の判断」「必要なマーケティング施策」など、経営戦略の根幹に関わる指標です。経営者自身が日々の意思決定に活用することで、組織全体に重要性が浸透します。

6.まとめ

パイプライン管理は単なる営業管理ではなく、「営業活動を科学し、安定的な成長を実現するための経営戦略」です。中小企業こそ、属人性を排除してデータに基づく営業活動を実践することで、限られたリソースを最大限に活かすことができます。

次回はパイプライン管理のおすすめツールについて紹介します。
ではまた!

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