【脱・下請け】中小企業の新規開拓ガイド(前編) ブランクを乗り越える「仕組み化」と「強み」の戦略

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【脱・下請け】中小企業の新規開拓ガイド(前編) 
ブランクを乗り越える「仕組み化」と「強み」の戦略

こんにちは事務所代表の鈴木です。
少し間が空いてしまいましたが、今回と次回のBlogでは「しばらく営業活動をしたことのない中小企業が新規顧客を獲得する方法」について大枠を紹介しますのでぜひ見てください!

詳しく教えてという方は「無料相談」からお問い合わせください!

「長年、親会社からの受注だけで経営が安定していたため、自ら営業をかける必要がなかった」
「親会社の業績不振や方針転換により、これまでの『待ち』の姿勢では立ち行かなくなってきた」

今、多くの中小企業経営者がこのような岐路に立たされています。いざ新規開拓を始めようとしても、最後に営業をしたのは何十年も前、あるいは創業以来ほとんど営業をしたことがないというケースも珍しくありません。

「何から始めればいいのかわからない」「昔のやり方が通用するのか不安だ」という経営者の皆様へ、本記事では、精神論や根性論ではなく、法人取引の論理的な特徴を理解し、営業を「仕組み化」することで、着実に成果を上げるためのロードマップを解説します。

1.法人取引の特徴:個人の買い物とは「ルール」が違う

久しぶりの営業活動で最も陥りやすい罠は、行動量で乗り越えようとすることです。もちろん量は大事ですが、法人取引には、個人の買い物とは決定的に異なる「購入のルール」が存在します。
ここを理解することが、新規開拓成功の第一歩です。

①その時の気分で購入することはない

スーパーでスナック菓子を買うように、「なんとなく良さそうだから」という理由で企業が発注することはありません。法人取引は極めて論理的であり、以下の要素が厳しく問われます。

②実績が重視される

企業にとって新しい取引先を選ぶことは「リスク」です。「納期を守れるのか」「品質は安定しているか」「倒産しないか」。これらを証明するために、過去の実績が何よりの判断材料となります。
同業他社との取引実績や、創業年数、技術的な表彰歴などは、相手の不安を払拭する強力な武器になります。

③様々な部署・役割の人が口を出す

法人営業の難易度を高めているのが、「意思決定に関わる人間が複数いる」という点です。社長一人の鶴の一声で決まることもありますが、規模が大きくなるほど組織的な合意形成が必要になります。

新規開拓では、以下の5つの役割を意識してアプローチする必要があります。

2.営業の仕組み化:根性論からの脱却

「とにかく電話をかけろ」「足で稼げ」という昭和の営業スタイルは、効率が悪く、社員の疲弊を招くだけです。特に営業リソースが限られる中小企業こそプロセスを「仕組み化」し、再現性のある勝ちパターンを作る必要があります。

①過去の成功パターンを思い出す

まずは、過去にうまくいった事例(親会社以外で単発でも受注できたケースや、評判が良かった仕事)を思い出してください。「なぜ、あのお客様は自社を選んでくれたのか?」そこにヒントがあります。

②理想的なステップを「付箋」に書き出し洗い出す 

頭の中だけで考えていても整理できません。メンバーを集め、付箋を使って営業プロセスを可視化しましょう。
付箋を使うことで、順序を入れ替えたり、足りない要素を後から足したりすることが容易になります。
やってみると、取引開始まで「20ステップ」ぐらいになるはずです!

※こちらの詳細を知りたい方は無料相談からお問い合わせください。

3.自社の強みを活かす:差別化の源泉を見つける

多くの経営者が悩むのが「ウチには特別な強みなんてない」とおっしゃいます。
「技術は普通だし、価格もそこまで安くない…」
そう思われるかもしれませんが、必ず何か理由があって貴社を選んでいます。

①みんなで自社の強みを列挙する

社長一人で考えるのではなく、現場の社員、事務員、古くからの社員など、
様々な人を巻き込んでブレインストーミングを行いましょう。

②顧客から褒められた経験はありませんか?

「仕事が早くて助かるよ」「伝え方がざっくりしていても、いい感じに仕上げてくれるよね」「急な変更にも嫌な顔せず対応してくれた」これらのお客さまの「何気ない一言」にこそ、真の強みが隠されています。
これらは「対応力」「提案力」「柔軟性」という立派な付加価値です。

③商品以外のノウハウや対応の面で言えることは?

製品のスペックだけでなく、プロセスに目を向けます。
・見積もりの提出スピードが異常に速い
・業界の専門知識が豊富で、相談に乗れる
・小ロット、多品種に対応できる
・梱包が丁寧で、届いた時の検品が楽だと喜ばれる

これらは全て、競合他社との差別化要因になり得ます。

④「強みの掛け合わせ」で差別化する

現代において「自社にしかできないオンリーワンの技術」を持っている企業は大企業を含めても極めて稀です。
しかし、諦める必要はありません。
強みを「掛け合わせる」ことで、独自のポジションを築くことができます。

例えば、以下のような掛け合わせです。
【金属加工業の場合】

強み①:普通の旋盤加工
強み②:在庫スペースが広い
強み③:社長が元運送業

↓ 掛け合わせると…

「作った製品を自社倉庫で預かり、必要な時に、社長自らジャストインタイムで配送まで行う加工業者」
こうなると、ただの加工業者ではなく、「顧客の倉庫代わりになり、物流コストまで削減するパートナー」という独自の立ち位置が生まれます。

1つ1つの要素は平凡でも、2つ、3つと掛け合わせることで、競合が真似できない「自社だけの価値」が必ず見つかります。

「技術 × スピード」「商品 × 接客」「地域密着 × IT活用」

あなたの会社にあるリソースをパズルのように組み合わせ、新規開拓のための最強の武器を作り上げてください。

4.まとめ:営業再開は「会社の再定義」のチャンス

親会社依存からの脱却を目指す新規開拓は、単に新しい売上を作るだけでなく、
自社の価値を見つめ直し、組織を筋肉質に変える絶好の機会です。

・法人取引の論理(実績、役割分担)を理解する
・プロセスを可視化して営業を「仕組み化」する
・社内のリソースを掛け合わせ、独自の「強み」を再発見する

この3つのステップを踏めば、営業ブランクがある中小企業でも、必ず道は開けます。まずは、付箋を片手に全社員で「ウチのいいところ会議」からスタートです。

次のBlogに続きます、ではまた!

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