こんにちは、リアデジ代表の鈴木です。熊本を中心とした地震や千葉・神奈川など全国で相次いだ豪雨・水害で、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
こうした災害は決して人ごとではありません。「事業継続力強化計画」(通称:ジギョケイ)という言葉を聞いたことはあっても実際に作成して申請した、という中小企業はまだ多くありません。私たちが日頃お会いする経営者の方の中でも、作成・申請まで進めている会社は数%程度、という実感です。この記事では、制度の概要、認定を受けるメリット、作成の進め方を中小企業診断士ができるだけ平易に解説します。
事業継続力強化計画(ジギョケイ)とは?
事業継続力強化計画とは、中小企業などが作成した、防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が認定する制度です。中小企業庁のページでは、この制度を「中小企業のための取り組みやすいBCP」と位置づけています。BCPとは、災害などが起きても事業を続けられるように、あらかじめ決めておく計画のことです。
認定を受けた会社は、税制措置、金融支援、補助金の審査での加点などを受けられます。地震や台風、大雨などで、工場や店舗、事務所が止まってしまう可能性は、どの会社にもあります。その備えを形にしながら、国の優遇措置も使える点が、この制度の特徴です。
認定を受けると使える主なメリット
防災・減災投資の税制優遇
認定を受けた計画に書いた対象設備を取得すると、「中小企業防災・減災投資促進税制」により、特別償却16%の税制措置を受けられます。対象は、2027年3月31日までに認定を受けた事業者が、認定を受けた日から1年以内に設備を取得し、事業に使い始めた場合です。対象設備の範囲や手続きは中小企業庁の実施要領で確認してください。税務上の判断は、顧問税理士へ必ずご確認ください。
金融支援
認定を受けると、金融面の支援も受けられます。内容は見直されることがあるため、最新の情報は、中小企業庁のページや、中小機構のポータルサイトでご確認ください。
補助金の審査での加点
補助金によっては認定を受けていると審査で「加点」されます。ただし、加点されることと採択されることは別です。認定を受けただけで採択が決まるわけではありません。また、申請時点で認定を取得している必要があるのか、申請中でもよいのかなど、条件は補助金ごとに異なります。申請を考えている補助金の公募要領を、先に確認しておきましょう。
作成が進まない理由と、申請前に知っておきたい注意点
メリットがあるのになぜ作成・申請まで進む会社が少ないのでしょうか?
災害への備えは「いつか起きるかもしれない」ことへの対策なので、目の前の仕事に追われるうちに、どうしても後回しになりやすいのだと私たちは考えています。「何を書けばよいか分からない」「申請が難しそう」と感じて、最初の一歩を踏み出せない会社も多いのではないでしょうか。
申請は、電子申請システムから行います。時間がかかりやすい点は、次のとおりです。
・GビズIDプライムのアカウントが必要です。取得には原則2週間程度かかるため、早めの準備が大切です
・計画には、目的、想定する自然災害とその影響、初動対応、事前対策、平時の推進体制などを書きます。中小企業庁のページに、策定の手引きが公開されています
・認定後も、訓練や見直しを続けることが大切です。2回目以降の新規申請では、実施状況の報告が必要になります
まず取り組むなら、①中小企業庁のページで制度の概要を読む、②策定の手引きを見ながら、自社で起こりうる災害と、止まると困る業務を書き出す、③GビズIDの取得を始める、の3つがおすすめです。どれも、今日から着手できます。手引きには計画の記載例があるため、白紙から考える必要はありません。自社の工場や事務所の状況に置き換えながら、一つずつ埋めていく進め方でも、十分に形にできます。なお、先ほどの税制措置は、2027年3月31日までに認定を受けた事業者が対象です。検討している場合は、早めに動き出しましょう(2026年10月5日時点の情報です)。
公的な作成支援と、私たちの作成支援
計画づくりを自社だけで進めるのが難しい場合は、支援を使う方法があります。たとえば中小機構は、専門家派遣を活用して、計画の策定・申請を支援する事業を行っています。また、認定を受けたあとの見直しについては、日本中小企業診断士協会連合会が、診断士が訪問してアドバイスを行う支援事業を実施しています。公的な支援は、対象や条件が変わることがあるため、利用前に最新の情報を確認してください。
私たちも、中小企業診断士として、ジギョケイの作成支援を行っています。「何から書けばよいか分からない」という段階から、御社の事業の実態に合わせて、計画づくりを一緒に進めます。公的な支援が使えるかどうかも含めて、状況に応じてご案内します。
よくある質問
うちのような小さな会社でも、事業継続力強化計画の対象になりますか?
BCPとは何が違いますか?
認定を受ければ、補助金に採択されますか?
まとめ
ジギョケイは、災害への備えを整えながら税制や補助金の面でも役立つ制度です。作成・申請まで進めている会社はまだ少なく、今のうちに動き出せば、備えの面で一歩先に進めます。まずは、手引きを読んで、何を書くのかを知ることから始めてみてください。
「何から手を付ければよいか分からない」「自社で作れるか知りたい」という方は、無料相談のお申し込みページからご相談ください。国の支援を使って業務の見直しを進める方法は、「実践の場」事業の解説記事で紹介しています。私たちの支援内容は、リアデジのサービス紹介ページでもご覧いただけます。
